データで築く『強い組織』

コラム

わたくしは、Excelを活用した統計学について研修を通じて、「大人が意思決定のために統計学を使う」ための考え方と実践方法を、企業・団体でお伝えしてきました。

どの研修のテーマにも共通する基本姿勢

~「唯一の正解はない」社会でどう決めるか~

私がお伝えしている研修は、「計算方法やExcelの操作方法を覚える」ばかりが目的ではありません。
大切にしているのは、次の考え方です。

  • ビジネスの現場には 唯一の正解があるとは限らない
  • それでもデータを手がかりに、納得感ある解を導くことができる
  • その過程を職場で共有できれば、意思決定の透明性と再現性が高まる

つまり、統計を学ぶことは「算数や数学を解くこと」ではなく、「大人が自分たちの判断を支える道具を持つこと」なのです。
研修を通じて統計学的な考え方を身につけることで、職場や人生に次のような変化が訪れます。
つまりこれは「一生モノのスキル」なのです。

1.「何がわかっていて、何がわかっていないのか」が明確になる

現場で情報を扱うとき、「この数字は信頼できるのか?」、「この判断は妥当なのか?」と悩むことがでてきます。統計学的な視点を基に、情報を次の3つに分類できることを目指します。

  • わかっていること、確実に言えること
  • わからないこと、確実には言えないこと
  • わからないことや確実には言えないことを明らかにするために、他に必要なこと

この整理ができると、情報に冷静に向き合えるようになり、またどうしても明らかになっていない条件が残る場合には、「ここまでは明らかだが、ここから先は判断保留」と扱うこともできるようになります。
結局のところ「ここからはわからないのだ」と腹をくくるだけの懐の深さを持ち合わせる必要もでてきます。
情報整理能力をより高めることで、意思決定の質がより高まります。これはビジネスだけでなく、日常の意思決定にも役立つ「一生の力」になります。

2.「唯一の正解がない」中で納得のいく解を導くことができる

学校の算数や数学の授業・テストでは、唯一の正解が存在していました。
しかし実社会の意思決定では正解が一つとは限らない場面がほとんどです。
研修を通じて、データを基に納得感のある判断ができるようになるのです。

算数や数学のテストの出題を借りるならば、大人の世界では自ら文章題をつくり、自ら解き、自らの納得感に基づいて行動をしてゆくのです。その積み重ねが、自らが主体的に意思決定してゆくための自信も増してゆきます。

3.職場の「居心地の悪さ」が一つずつ解消されてゆく

「上司の気分や勘で決まる」、「充分な説明もなく指示が降りてくる」
こうした理不尽さが職場にあり、積み重なってくると、働く人達の心身に負担がかかってゆくものです。
また上司や経営者の立場のあなたが、「部下からの報告が充分に得られない」ということはありませんか?
データに基づく意思決定が浸透すれば、こうした不透明さを減らすことも充分に期待できるのです。

また雇用形態に関係なく「数字と論理で話が通じる」職場を目指したいものです。
「自分の意見に意味を持つ」と、風通しの良い職場になり、居心地の悪さが一つずつ解消されてゆきます。

4.「他人に優しい社会」になる

数字やデータで物事を考えることができるようになると、思い込み偏見による意見や発想が減ってゆきます。
たとえば「平均値」のことを考えてみてください。
平均月商1,000万円という情報を目にしたとき、「毎月だいたい800~1,200万円くらいは売れてるんだろう」と判断しますか?それとも他の可能性を思いつきますか?
おおよその月商を把握している場合なら良いのですが、平均月商という数字一つだけを見せられたとき、こうした「思い込み」に基づく誤解をしてしまうと、意思決定を誤るかもしれません。

そこで研修の後の景色は、思い込みや偏見・誤解を一つずつ減らし、お互いの立場や意見を尊重できるようになるのです。
自ずとハラスメントの予防にもつながります。

統計学をビジネスで利用することは、単なる数字の学問でもなければ、数字しか見ない世界を作るものでもありません。
他人の意見や状況について理解を深めるためのツールなのです。

5.AI時代だからこそ必要な「判断力」

長文の要約、調べもの、翻訳、文章の考案のほか、データの集計や分析・グラフ化などにおいても、ChatGPTやGemini、Copilotなどをはじめとする生成AIが使われるようになりました。
しかしスクリプト(指示)を用意するのも、出力された情報を精査して活用するのも我々人間なのです。

人間が使うからこそ、人間が精査できる目を持っていることが重要なのです。
Excelの研修も同様、人間が集計や分析に関することを理解した上で扱うことができる必要があるように、生成AIでも同様に向き合う必要があるのです。
この考え方がExcelによる分析でも、生成AIの利用でも通じていれば、意思決定のために仲良く使ってゆくことができるでしょう。また実務で大ケガすることを減らしてゆくことにつながります。


強く太い組織を目指して

わたくしが担当する研修は、ただExcelのスキルさえ身につけば良いという主旨ではありません。
根拠ある判断を積み重ねる文化を作ってゆくことにあります。
経営者・管理者、そして(いわゆる)非正規社員・派遣社員を含めた社員一人一人が安心できる組織を作り、守りながら、企業の持続的な成長を支えるもの、それこそがわたくしの研修で究極の目指すことなのです。

わたくし米谷による個人的印象としては、(いわゆる)非正規社員・派遣社員などもこうした教育が徹底的に行われるべきだと強く考えます。
そうでないと受け入れ企業として、Excelの操作はもちろん、意思決定に効く行動を求めることは、いつできるのでしょうか。
「即戦力」と称して派遣社員を迎えるのに、こうした実力を身につける機会はどこにあったのでしょうか。
一緒に数字をニガテ扱いしない、データと仲良くする空気を作ってゆきましょう。


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