数字の扱いに慣れる

「数字キライ」、「数字ニガテ」とおっしゃる方がいます。
気持ちは良くわかります。わたくしは学生時代、理系のクラスを避けて通ってきたためです。

そうした中で、こういうことを把握できることは、正しい意思決定の基礎につながってきます。
一つ例題を出しますので、考えてみてください。


Q:
店の来店者について
3月17日は、前日比10%増。
3月18日は、前日比10%減でした。
さて3月16日と比べて3月18日の来店者数は?
どれか一つをお選びください。

(A)増えている
(B)減っている
(C)この情報だけでは判断できない


答えることはできましたか?

正解は……
……
……
……
……
 
 
 
(B)減っている
 
です。
1つ1つ読み解いてゆきます。

3月17日は、前日比10%増なので、3月17日は16日よりも、1割多かった。
そして3月18日は、3月17日よりも1割少なかったということですね。
 
3月16日を1とした場合で考えます。
「1なんてリアリティーないよ!」と思う方がいたとしたら、「1」に「人」とか「千人」のように、単位を付けてみてください。たとえば100万円を表すのに、「1百万円」と表しているような資料も存在しています。
ここでは「千人」を付けてみます。

3月16日: 1,000人
3月17日: 1,100人(3月16日より1割多かったので、1,000人 × 1.1倍 = 1,100人)
3月18日: 990人(3月17日より1割少なかったので、1,100人 ×0.9倍 = 990人)

ということで、3月16日と比べて3月18日は10人少ない、つまり「減っている」とわかります。
「前の日と比べて」どうかという情報がわかっているので、わかっている情報を基に、具体的に数字を求めてみることが必要です。

情報を整理する方法

算数の授業では文章題というものがありました。
学校の試験問題を解くだけではなく、意思決定のために情報を使わないといけないので、次のように整理してみましょう。

  • わかっていること、確実に言えることは何か
  • わからないこと、確実には言えないことは何か
  • わからないことや確実には言えないことを埋めるために、どういう情報が必要か

この3つを明らかにしましょう。
ここでは前日比の割合がわかっているので、これらが「わかっていること」です。
わからないことは、初日の具体的人数です。
そしてわからないことを埋めるために必要な情報は、ここでは「仮に置く数字」です。
今回は「千人」としたものです。

計算上は、「1」としても解くことができるので、この「仮置き」も意思決定に効く情報やデータ・数字の活用にお勧めの方法の一つです。