幾何平均値
相乗平均値とも呼びます。英語でGeometric Mean。
単純平均値との違い
良く使われている「平均値」は単純平均値・算術平均値・相加平均値も呼び、すべての値を足し算したあと、データの個数で割り算した値を指しています。


2・3・4の3つの値の場合は、単純平均は
(2+3+4)÷ 3 = 3です。
幾何平均値とは
幾何平均は言わば、掛け算の平均として考えることができます。
前年比2倍・3倍・4倍と伸びているときの平均伸び率は、
2×3×4の3乗根として求めます。
2×3×4=24なので、3乗すると24になる値を求めるということになります。
これを図にすると、(もちろんメートルでも良いのですが)2cm × 3cm × 4cm=24立方cmの直方体について、24立方cmという体積を変えずに、1辺の長さをすべてそろえるということをやっています。

正解は2.88cmということで、2倍・3倍・4倍となったときの平均伸び率は、約2.88倍です。
幾何平均値は、次のような式で表されます。

Πは「パイ」と呼び、総積(総乗=すべての値の積……すべての値を掛け算した結果)を意味します。
ギリシャ文字の大文字で、円周率を表す「π」は小文字にあたります。
また立方根(2・3・4ならば、平方根の記号の中は2×3×4で24、そしてデータの個数は3つなので、3乗根)であり、上の式で難しいと感じた方は、結局は次の形と同じことを言っています。
今回は なので3乗すると24になる値ということで、約2.88…となります。
また幾何平均値は、e(約2.718)を底(てい)とする自然対数に変換した値の単純平均値を求めて……

指数関数に代入すると……
幾何平均値になります。
Excelベースで説明すると、次のようになります。
Excel・Googleスプレッドシートで幾何平均値を求める方法
ExcelとGoogleスプレッドシートでは、幾何平均地をGEOMEAN関数で簡単に求めることができます。
範囲指定した中に空白や文字列のセルが含まれると、データ個数にはカウントされず、無視されます。

Rで幾何平均値を求める
Rに直接データを2・3・4と入力しました。
幾何平均値を直接求めるコマンドは無く、eを底にした自然対数に変換した値の平均値を求め、指数関数を求める処理をします。
Rのlogで底の設定をしない場合は、eを底にした自然対数を求めます。

CAGR(年平均成長率)との関係
CAGR(年平均成長率:英語でCompound Average Growth Rate)は、この幾何平均と同じことをしており、次の式で求めることができます。

この事例に翻訳すると、結局は24の3乗根(24の3分の1乗と同じこと)をしています。
